コラム

【マナーズサウンドコラム】打球音

台風で被害に遭われた皆様には、まずお見舞い申し上げます。
しかし、大きな風が天上の雲をすべてどこかへ吹き飛ばすと、雲ひとつない神々しい秋晴れ。
ひんやりとした空気が肌に触れ、その上から柔らかくそそぐ太陽の熱が皮膚を通して血管を温め生命を巡らせてくれる。
台風で残る水溜りを覗き込むと、吸い込まれてしまうような深い藍色の空に、自分自身が宇宙の一員であり、一部なのだということを強く感じてしまいます。

 カキーン、コキーン。こんな爽やかな休日には荒川の土手でも散歩しながら、少年たちの草野球でものんびりと観戦したいです。
野球が日本に伝わったのは、1884年(明治14年)のこと、慶応大学の米国人教師、ストーマーが本場から野球の道具を持ち込みました。その後、慶応から早稲田へと野球は伝わり、それが伝統の早明戦となり、いまでも東京六大学のメインイベントとして六大学野球の最終戦は優勝に絡まなくても早慶戦と決まっています。
 慶応と早稲田から始まった野球は明治、法政と次第に拡散して、関東大震災から2年後の1925年(大正14年)には東大と立教も名乗りをあげ、東京六大学野球連盟が、大正14年の今日、9月20日に発足しました。記念すべき第一試合は晴天の駒沢野球場で明治x立教の第一回戦が行われました。

 その後、東京六大学野球は戦前はもちろんのこと、戦後も、後からできた職業人野球(現在のプロ野球)より、はるかに人気を集め、聖地とされる神宮球場は試合のたびに満員御礼となりました。

 さて、コロナ禍の野球ですが昨年は甲子園大会も中止となり無念な思いをされた多くの球児たちもいました。今年はなんとか開催されたものの、やはりコロナ感染で出場を辞退されたりと、球児たちの試練は続いています。

 無観客試合ゆえに、自ずとテレビ観戦になるのですが、気づいたことがひとつありました。それは普段ならアルプススタンドの大声援でかき消されてしまう打球音が鮮やかに鳴り響くことです。投球がバットで叩き潰される衝撃音。あるいはバットが投球の威力に圧されて破壊される鈍い音。普段では聞き取れないような音が、テレビを通してですがつぶさに聴こえてきたのです。

 高校野球は金属バットですから、当然金属音ですが、プロ野球や大学野球は木製バットなのでボールがバットのどの部位に当たるかによって、微妙に音の違いを楽しめます。

 また、外野の守備で、一番難しいのは正面に飛んでくるライナー性の打球です。つまり距離感がつかめないのです。打者が打った瞬間に弾道が低いと判断して一歩前進したのに、実は打球がグングンと伸びて、選手の頭上を超えてしまうというシーンを何度も見てきました。そこで、ボールを見ずに真後ろに全力疾走して、振り向きざまにジャンプして打球をつかむ、というスーパープレーを見たことありませんか?

 どうしてあんなすごいプレーができるのか?実況のアナウンサーは「まるで後頭部に目がついているようだ」と絶叫しますよね。本当にそんなふうに思えてしまいますが、実は目ではなく耳なのです。そう、優れた外野手は『打球音』から落下地点を推測してジャンプしているのです。どんな大声援の中でも空気を切り裂く打球音をキャッチできる動物的な耳を持っているのです。

 そこで打球の周波数を調べてみようと思いました。
当然ですが、静止している野球のボールそのものには周波数は存在しません。しかし、投球すると同時にボールは空気と衝突するので、そこに音(周波数)が発生して、次にバットにクラッシュされ爆発音となり周波数が変化します。さらに投球のボールの回転数、バットの衝撃量、飛んだ角度と空気抵抗により、また打球の周波数がまたまた変化するのです。

 きょうは、そんな「打球音」の周波数を調べてみようと思いましたが、「」と「」の衝撃音は条件が無限に違うため、測定は不可能に近いのです。これが、例えばゴルフのように「静」(止まったボール)と「動」(スイング)ならば測定は可能です。次回、機会がありましたら、ゴルフで打球音の周波数について書かせていただきます。

 ベースボールが日本に伝わり今年で137年。今、大谷翔平という若武者が全米の野球界を席巻しています。きょう9月20日21年現在、大谷選手の成績は9勝2敗、44本塁打。ここまで来たら、絶対に狙っていただきたいです、ホームラン王と、二桁勝利。
 あと、大谷サンの身体って、どんな周波数をだしてるのかな?とても興味があります。

take me out to the ball game 〜私を野球に連れてって

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